MUKU-DATA  建築用造作材 各種
昨日、関東の製材所さんで
造作材を主に製材業だけで会社をやっている社長さんと話す機会があった。
歳は私の一つ上で同世代。
普段は工場に入りほぼ木取り製材を行い、配達、営業と全てをこなす
温厚で優しそうなお人柄が受注に繋がっているのだろう(見習わなくては・・)
家業を継いだ20代半ばから約30年が経過して
プレカット加工、大手製材工場で量産される既製品材木、
そして画一的な便利で簡単な建築部材の使用・・(木材の建材化)
建築加工の効率化と熟練技術がなくても作れる建築へと変化すると共に
当然使われる材も変化してきた。
小さな製材工場を持つものとしてお互いに痛いほど気持ちが共感できる。
何がどうなって、どうしてきたか・・ ここでは書ききれないほぼ多くある。
(それをここで綴っても意味もないので書かないが)
そして未来、
小さな製材工場は、果たして必要なのか?
毎日延々と強迫観念に追い詰められる。
(これは製材所に限らずどこの経営者もそうであろうが・・)
そして木を使い、木を通じて、色んなことをやってみる。
それが上手く行くことはそう簡単にはない。
その繰り返し。
崖っぷち→やる→失敗、→失敗、→失敗 の連続。
これから・・
昨日の製材所の社長さんとも考えはほぼ同じ、
また別の他県の色んなことにチャレンジしている製材所さんともほぼ方向は一緒
量産工場では挽けない丸太や造作材は多い。
細かな材は必要か?
昨日の3代目の社長さんは自分の代で製材業はやめると
笑っていたのが何だか今朝も頭に残っている。
A~D 各工務店、現場と分かれている。
こういった細かな材の製材が入る。
A:玄関枠造作:ピーラー、巾木:杉
B:玄関框材:ホワイトオーク、巾木:ホワイトアッシュ、その他
C:階段手摺材:チーク
D:引戸引手:タモ、チーク
E:造作材(枠材関係):米栂
F:外部造作材(下見板、押縁など):杉赤身
常々材は使い方、見せ方、適材適所だと思って
毎日木を見て触っている。
例えばの話ですが、
引戸の引手一本に木を使うとする。
引戸はコストを抑える為、フラッシュ構造シンプルで無機質に
マットな黒ポリ、または究極に削ぎ落したラワン合板としよう。
そこに取付く1本の縦ラインとして引手に材木を使おうと考える。
サイズは 1800x30x30mm 仕上げの細いラインとすると
だいたい大まかではあるが各樹種の価格帯は下記のようになる。
杉: 700円
ホワイトアッシュ:1800円
ウォールナット:3000円
チーク:5000円
黒檀:12000円
安い材がいけない訳ではないが、
例えば、カリンちゃんってお子さんがいたのならその部屋の入り口には花梨材でも良い思うし、
杉床の廊下から書斎の床がウォールナットであるならばウォールナットでもあり、
無機質な面材に一本煌びやかさが欲しければキラキラしたカーリーメイプルもあり、
触った感じが硬く冷たい黒檀はクールにこれからリモートワークをする心構えができるかもしれない。
たかが引手1本でも
そこをお気に入りで思い入れのある材にするだけで
毎日目にして触るもの。。随分と気持ちが豊かになるであろう・・
と思うのは職業柄私だけであろうか・・・?
是非色んな場面で色んな材を使っていただきたいと
思っています。
製材所として続けられる限り
そういった小さいけれどもスパイスの効いた造作材にも応えていければ・・
と思っています。

コメントを残す